君がいれば・・・①
何ヶ月か前にこのホテルでシン様から逃げて走ってきたのが印象深い彼女。



あの後シン様の機嫌は良く、彼女が韓国に来た時は今までの中でも一番幸せそうに見えた。



しかし、さいきんはあまり笑わなくなった。


イライラさえ、見せるようになった。


彼女に会えなかったからだろう。



シンは無理にスケジュールを入れて寝る間も惜しみ仕事をしていた。



日本へ来て今日は浮き足立った様子で、見ていても安堵していたのだ。



ハジンはきびすを返すとパーティー会場には入らず扉の前に立った。




30分後、マネージャーのジフンからハジンの元に電話が鳴った。



「シンがこれから部屋に戻る」



パーティーには1時間ほどしか居ないシンを、ジフンはあきれているような声だった。



ハジンは近くにいた数人の男に合図をして会場からシンが出てくるのを待った。



シンを囲むようにした体躯のよい男達で、ほとんどファンに姿を見せることがなく最上階のスイートルームへ戻る事ができた。



「シン様、」



無口な警備主任がシンに話しかける事は珍しい。



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