君がいれば・・・①
一番可愛がっている孫にそう言われて祖父は黙ってしまった。



「……とにかく日本人との交際は認めん」



「反対しても無駄です」



「許さん!」



「これ以上話をしても堂々巡りですね?失礼します」



シンはソファーから立ち上がって祖父の書斎を出た。




帰る時、母のユジンが見送りに車まで来た。



「シン、貴方の思うとおりにしていいのよ?」



母の温かい言葉にシンは頷いた。



「母さん、ありがとう セナに会って欲しいよ」



「私も会いたいわ」



シンがこの人と決めたのなら間違えないとユジンは思っていた。



これで祖父があきらめたとは思わない。



シンは自宅へ戻る道を運転しながら今後の事を考えていた。



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