君がいれば・・・①

久しぶりに

******



瀬奈は信也の指示で笑顔を作っていた。



心配事があるせいで瀬奈の笑顔がさえない。



それが分るのはその場にいる者の中で信也だけなのだが。



他の人の目には可愛く写っている。



「瀬奈ちゃん、ちょっと休憩しよう」



瀬奈が信也の元へ戻ってきた。



信也のアシスタントがミネラルウォーターを渡してくれる。



「瀬奈ちゃん、彼の事を考えて笑ってみて」



信也が通りすがりに耳打ちした。



瀬奈は小さくため息を吐いた。



撮影に集中できていないのが分っているんだ……。




< 346 / 430 >

この作品をシェア

pagetop