君がいれば・・・①
「瀬奈ちゃんはワインが好きなんだね?」



「はいっ お酒の中でワインが一番好きです」



そんな会話なら瀬奈にもついて行ける。



葉山はお酒に強いらしく日本酒を飲んでいる。



瀬奈は葉山のおちょこにお酒を注いだ。



「夏のポスターも社長は喜んでいたし、今回もいい出来になりそうだね?お疲れ様」



優しい眼差しで見つめられて瀬奈はぽっと頬を赤らめた。



「良い出来になると嬉しいです」



自分なんかが大手デパートの顔になってしまい申し訳ないと思っているのだ。



「もうこの話は無いですよね?もっと綺麗な人を使った方がいいですよ」



もう撮影はしたくない。



疲れるだけなのだ。



「もっと綺麗な人?うちのデパートではいないよ」



そんな会話を瀬奈の隣で聞いていた亜佐美がため息を吐いた。



葉山部長の瀬奈へのアプローチはすごいわ……。



「そんな事ないですっ!」



「自分の事を本当に君は知らないんだね?」



葉山の指が瀬奈の手に触れた。




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