君がいれば・・・①
「他の乗ろうよ ジフン」



瀬奈が立ち上がった。



混乱している気持ちには絶叫マシーンがあっている気がした。



瀬奈が目指した所。



3回転する絶叫マシーン。



「セナ?大丈夫なの?高い所苦手でしょ?」



高所恐怖症なのになぜ?とシンは思った。



「う、うん」



「これは止めておこうよ」



シンの握る手に力が入り瀬奈はショップの方へ連れて行かれた。



あの絶叫マシーンに乗るという事だけはシンは避けたかった。



キャップやサングラスを外さなければならないのだ。



シン自身、絶叫マシーンは好きだったが今はまずい。



瀬奈の高所恐怖症を理由にそこから離れた。



ショップの中へ入るとシンの目に先ほどのウサギが入った。



あれよりは小さく抱きかかえられる位の真っ白なウサギ。



セナに似ているな。



瀬奈を見ると、下を向いて携帯ストラップを夢中で見ている。



瀬奈はタクシー代や入場券も出してくれたジフンに何かお返しをしたかった。



お金は要らないと言われたら後は物しかないよね。



日本のお土産になるもの……。



ここじゃあ、そんなものはないか……。



瀬奈はストラップを念入りに見た。



あ……これなら ジフンが持ってもおかしくないかも。



皮ひもに茶色のガラス玉のストラップが目に入って手に取ってみた。




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