君がいれば・・・①
「瀬奈ちゃん!」


また名前を呼ばれて立ち止まって振り返ると、葉山が立っていた。



「今帰りだね?良かったら少し付き合ってくれないか?」



いつもの瀬奈なら断っていただろう。



瀬奈は頷いていた。



******



瀬奈は葉山に連れられてちょっと洒落たバーに来ていた。



食事も出してくれるのだが瀬奈はワインばかり飲んでいた。



「今日の瀬奈ちゃんはちょっとおかしいね?」



「そうなんれす……わたし……おかひい……」



ろれつが回らないほど酔っ払っている。



そんな瀬奈も可愛いのだが。



「もしかして彼とうまく行ってないの?」



「かれ……は……いまれ(せ)ん」



今にも泣きそうな潤んだ瞳が葉山を見た。




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