君がいれば・・・①
「知っているんだ 瀬奈ちゃんの彼氏は……パク・シンだろう?」



一瞬真顔になった瀬奈は思いっきり首を振る。



「ちら(が)います そんなひと……しりまれ(せ)ん」



首を何度も振ると、酷く酔いが回ってきた。



瀬奈の瞳が潤んでいて、思わずピンク色の唇に目が行く。



次の瞬間、葉山はそっと唇を重ねていた。



「!」



瀬奈の目が大きくなり驚いている。



「やめてください!」



酔いが一気に醒めた。



唇を手の甲でゴシゴシと拭く。



「すまない……つい可愛くてね」



「わたし……葉山さんの気持ちには答えられません」



瀬奈がふらつきながら立ち上がる。



「分った 分ったから座って?もう何もしないから安心して」



手首をつかまれて瀬奈は仕方なく座りなおした。



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