君がいれば・・・①
瀬奈のバッグが振動している。



「?」



葉山はバッグの外側に入っていた携帯を出して見る。



着信の名前は「シン」



興味が沸いてくる。



葉山は電話に出るボタンを押していた。



『セナっ!』



「残念ながらわたしは瀬奈ちゃんではない」



『貴方は誰ですか?』



一瞬父親かと思ったが電話に出た男は「瀬奈ちゃん」と言った。



「わたしは瀬奈ちゃんの上司、葉山です 今彼女は眠っている」



『なにを!?』



「安心してくれたまえ、酔いつぶれた女を襲うほど女には困っていない ただし、わたしは彼女に求婚している 無理にではわたしに気持ちが傾いてくれないからね?」



『本当に手を出していないんだな?』



凄みのある声に目の前にいたら殺されそうだなと葉山は思った。



< 373 / 430 >

この作品をシェア

pagetop