君がいれば・・・①
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シンが無理やり退院すると、祖父や母は実家に戻って療養して欲しいと言ったのだが頑として受け入れなかった。



瀬奈の事があって以来、シンは祖父を避けていた。



孫に避けられ少しは祖父も堪えた様なのだが、表面上は見せなかった。



兄のドンヒョクにも説得されたが、シンはマンションへ戻ったのだ。



今のシンには瀬奈しか見えていない。



誰がなんと言おうとシンはこの恋を貫くだろうとジフンは思った。



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ジフンは到着ロビーで瀬奈の到着を待っていた。



予約した飛行機は到着したから、もうすぐ出てくるだろう。



10分ほど経って扉から大きめのバッグを一つ持っただけの彼女が姿を現した。



相変わらず可愛いと思ってしまう。



彼女に酷い事をしておきながら不謹慎だぞ。



ゆっくり辺りを見回す瀬奈の目がジフンに止まった。



ジフンは頭を下げて近づいた。



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