君がいれば・・・①
「大丈夫っ、シン、熱は?」



痺れる右腕は放っておいて左手をシンの額に持っていく。



「大丈夫 精神的な事も影響していたんだ もうセナが側にいるから大丈夫」



優しく微笑まれて瀬奈の心臓が高鳴った。



「うん……熱は微熱程度になったかも」



良かった。



さっきより元気そうに見える。



瀬奈はシンの手から濡れたタオルを取ろうと手を伸ばした。



「きゃっ!」



シンに腕を軽く引っ張られて瀬奈はシンの上に乗っていた。



「シ、シンっ!」



「セナ、来てくれてありがとう」



シンの腕とブラウンの瞳に囚われて動けない。



「ずっと側にいて欲しい」



「シン……?」



ポカンと口を開けたままの瀬奈を見て微笑んだシンは瀬奈の髪を優しく撫でる。



「何で驚いた顔をしているの?」



「えっ? えっと……言ってる意味が分からないの」



遠距離なんだからずっと側にいられるわけないのに。



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