君がいれば・・・①
シンの長い腕に抱きしめられて瀬奈はこの上ない幸せを感じていた。



瀬奈はシンに愛された後も眠らずにいた。



なぜか眠くないのだ。



シンの静かな胸の動きを頬に感じ、ずっとこのままだったらいいのにと思う。



シンは眠っている。



今日は本当に起きて大丈夫だったのかな……?



無理をさせてしまった気もする。



瀬奈はそっと身体を起こしシンの額に手を置く。



熱を確かめたかったのだ。



額にかかるブラウンの髪をそっと払う。



熱は……良かった。


無いみたい。


入院をしたほど身体を壊していたからまだ心配だよ。



自分のせいだ。



額に手を置いてもピクリとも動かないシンを見て胸が痛んだ。



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