君がいれば・・・①

敵意

飛行機の座席に座った瀬奈は、寂しい気持ちでいっぱいになる。



シンと別れたばかりなのに、もう会いたくて仕方ない。



瀬奈はその気持ちを振り切るように顔を上げた。



顔を上げた途端に、周りの人々の視線が気になった。



見られていると思ってしまうのは気のせいだよね……。



******



羽田空港に到着してロビーを出ると、いきなりフラッシュをたかれ瀬奈は視界が奪われた。



まぶしさに腕を顔にやると誰かが近づいてくる足音。



「木下 瀬奈さんですよね?」



ボイスレコーダーを持った女性が立っていた。



マスコミだ……。



驚いた瀬奈だが、女性を無視をして歩いた。



「パク・シンさんとの馴れ初めをお聞かせ下さい!」



そんな事言われても……。



足早に歩きながら思いながらタクシー乗り場を探す。



「パク・シンさんとご結婚を考えられているのですか?」



無視をしている瀬奈にかまわずどんどん質問がされる。



なんとかマスコミから逃れてタクシーに乗り込むと瀬奈は後部座席でホッと息を吐いたのだった。





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