君がいれば・・・①
スポーツ新聞の芸能欄に大きくシンと瀬奈の事が載ってしまったのだ。



もちろん一般人の瀬奈の名前は載っていなかったが、デパート勤めの可愛い感じの女性Aさんと出ていた。



「もうシンは身体大丈夫なの?」



「うん もう大丈夫そうだった」



「ふ~ん 愛の力ね?」



「亜佐美……」



そう言われて悪くない気分に気がついた。



シンとの交際を隠さないで済むのが楽なのかもしれない。



ユニフォームに着替え終わった時、背中を押された。



食品部門にいる女性だ。



「いたっ!」



押されて額をロッカーにぶつけてしまった瀬奈。



何も言わずに去っていく女性に亜佐美が怒る。



「瀬奈、大丈夫?気にしないのよ?瀬奈がシンと付き合っているからひがんでいるのよ」



「う、うん」



額に傷がつかなかったかロッカーの扉についている鏡を覗いた。



ぶつかった箇所は少し赤くなっていた。





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