君がいれば・・・①
大丈夫、なんともない。



瀬奈は亜佐美ににっこり笑いかけると扉を閉めた。



その日は一日中、動物園のパンダになった気分だった。



デパートの開店と同時に瀬奈に案内を聞いてくる人が多い。



瀬奈は一生懸命お客様に接した。



そんな瀬奈を複雑な心境で見つめていた男がいた。



広報室部長の葉山だった。



******



夕方、総支配人室に呼ばれた瀬奈は総支配人室のドアを叩いた。



中から返事が聞こえた。



「失礼します」



瀬奈はノックをすると中へ入った。



「ああ、瀬奈」



伯父は瀬奈を見ると目の前のイスに座らせた。



「お話ってなんでしょうか……?」



「う~ん……本当にパク・シンと付き合っているのかい?」



聞きづらそうな伯父。



「えっ……はい……」




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