君がいれば・・・①

事件

自宅から帰る電車で瀬奈は考え事をしていた。



敵意……。



そんなこと、伯父さんが言うから怖くなっちゃったな。



何もないと思いつつも、周りを気にしながら瀬奈は足早に家に戻った。



~~~~~♪



玄関に入ろうと取っ手に手をかけた途端、携帯の着信メロディーが響いて瀬奈はビクッとした。



シンだ……もぅ……ビックリした……。



「も、もしもし?」



玄関のドアを開けて中へ入りながら電話にでる。



『セナ、今大丈夫?』



「うん、ちょうど家に帰ってきたところなの」



居間から母が顔を覗かせたが瀬奈が電話中と分ると中へ引っ込んだ。



「シン、身体は大丈夫?」



『ああ 今日から撮影に戻ったよ 瀬奈のおかげでもう大丈夫』



「お仕事がんばってね?」



『もうセナに会いたくて仕方ないんだ』



自分の部屋に戻ると片手でコートを脱ごうとする。



「わたしも」



『マスコミは大丈夫か?』



「昨日、空港で待ち伏せされたけど大丈夫だよ そんなに心配しないでね?」



瀬奈はそう言うがマスコミよりもファンの方が怖い事をシンは知っている。



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