君がいれば・・・①
左腕にジンとした痛みが広がったかと思うと焼けるように痛んだ。



「瀬奈っ!」



亜佐美が瀬奈に駆け寄る。



瀬奈を襲った少女は警備員2人に取り押さえられていた。



「大丈夫!?」



「だい……じょうぶ…… かすっただけだから……」



警備員の男が瀬奈にかがみ込んだ。



「見せてください」



瀬奈の右手は左の傷口を押さえていた。



右手の指から血が流れている。



瀬奈はそっと右手を外した。



相当痛いはずだが、何も言わない瀬奈を警備員の男は感心した。



傷口を見てから綺麗なハンカチで患部を押さえると縛る。


< 421 / 430 >

この作品をシェア

pagetop