君がいれば・・・①

ストラップ

******



誰にも正体をばれる事もなくシンはホテルに戻れた。



小脇にウサギのぬいぐるみを抱えているシンはじろじろ見られはしたがばれはしなかったらしい。



今も瀬奈の涙が気になっていた。



部屋に入り見るからに不機嫌そうなシンにジフンは近づいた。



「うまく行かなかったのか?」



シンが目を付けた女の所へ行ったのは間違いない。



「完璧に負け」



ドカッとソファーに座りキャップとサングラスを外したシンは片方の足を立ち膝にしてそこに腕を置いて顎をのせた。



前髪をかき上げる仕草はファンにはレア物だろう。



男らしさの中に色気を備えた男だ。



ウサギは自分の横に置いている。



「珍しい事もあるもんだな」



完璧に負けと言うシンと隣のウサギの関係が知りたいジフンだった。





< 51 / 430 >

この作品をシェア

pagetop