君がいれば・・・①
中にはきらきら光る茶色のガラス玉の皮にストラップ。



それを手にとって掲げて見る。



セナ……。



瀬奈がどういう気持ちで買ったのか痛いほど分った。



「くそっ」



いらなければ捨てて欲しいと言ったセナ。



捨てられるわけがない。



自分の心に住み着いてしまったセナの思い出を。



「物思いにふけっている所邪魔して悪いが……そこのウサギちゃんは?」



「セナへのプレゼント」



その言葉を聞いたジフンが噴出した。



「お前がウサギのぬいぐるみをプレゼント?いったいどこへ行ったんだ?」



「遊園地」



シンが噴出したジフンをにらみながらぼそっと口にした。





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