君がいれば・・・①

彼の正体

ジフンはデパートの中へ入った。



正面玄関を通った時、受付にいる可愛い子に目を留めた。



あの子、可愛いな……。



おれも帰りに彼女に声をかけてみるか。



そんな事を考えながらジフンは紳士服売り場がある4階に向う為に、エレベーターに乗った。



4階に到着したジフンはまっすぐ、昨日シンに教えられた紳士服売り場へと向かう。


客より多い店員のネームプレートをさっと目を通していくが「セナ」の名前は見当たらなかった。



「あの……すみません……」



ジフンは笑みを浮かべた男性店員に近づくと話しかけた。



セナのことを聞くと今日付で職場を移動したと言われた。



「移動……?」



ジフンはあっけに取られた。



「はい。彼女は1階の受け付けにいるはずです」



そんな答えが返ってきた。



受付か……。


それってさっきの所か?



お礼を言って再びエレベーターに乗り込んだ。



ジフンの脳裏にあの可愛い子を思い出した。



1階にエレベーターが到着すると、出入口に向かう。



そして見えてきた受付にゆっくり近づく。



受付にいる数人の胸のネームプレートを見る。



それから脱力感を覚えた。




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