君がいれば・・・①
ジフンはあえてシンに電話をしなかった。



一度シンからかかって来たが電話に出なかった。



さぞかしイライラしている事だろう。



ジフンはシンのイライラした顔を想像して楽しんでいた。



先に彼女(セナ)に出会ったお返しだ。





正面玄関の隅で待って20分後彼女がやって来た。




女の子らしい上品で清楚な水色のワンピース姿だ。



「お待たせしました」



受付にいた時はまあまあの身長だなと思ったのだが低いミュールをはいた彼女は小柄に見えた。



シンと並ぶとかなりの身長差だな。



「いいえ 来て下さってありがとうございます」



ジフンは瀬奈を通りに止めてある黒塗りの車に促した。



乗る時に瀬奈は躊躇(ちゅうちょ)した。



ホントにこの人に付いて行って大丈夫なのかな。



「セナさん、どうぞ?」



「あの……」



瀬奈の黒目がちな瞳がジフンを見る。



吸い込まれそうな瞳だな……。




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