君がいれば・・・①
その瞳が不安だと言っている。



ジフンが安心させるように瀬奈に微笑んだ。



「怖くなりましたか?安心してください 向こうでシンが待っています」



「え……っと……はい……」



瀬奈は心を決めて車の中へ入った。



ジフンから離れるようにして座った瀬奈。



「シンが喜びますよ」



この人も韓国人なのに日本語が上手なんだ。




「貴方はシンが何者か知らないのですか?」



日本人女性から絶大なる人気を持つシンを知らないなんてありえない。



「シン……ジフンは……仕事で日本に来ているって」



戸惑った声にジフンは眉根をひそめた。



「ジフンと名乗っていたのですか?彼は」



「はい……でも……違うんですよね……?」



どうして嘘の名前を言ったんだろう……。






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