君がいれば・・・①
瀬奈は視線を泳がせた。



テーブルの上に無造作に置かれた携帯が目に入る。



あっ……。



携帯に付けられているのは瀬奈が渡したストラップだった。



捨てなかったんだ……。



心の中が暖かくなる。



シンが両方の手にコーラの入ったグラスを持ってきて瀬奈の前に置いた。



今はアルコールよりも炭酸の方が頭がすっきりすると思った。



「どうぞ ただのコーラだよ」



そう言って目の前のソファーに座った。



「どこから話せば良いのか……まだ自分の気持ちに戸惑っているんだ」



シンが瀬奈を真っ直ぐ見て切り出した。





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