君がいれば・・・①
「ごめん、それも嘘」



セナの涙は見たくない。



一度嘘をつけば嘘は嘘に重ねられていく。



「セナ、泣かないで 君の涙を見ると胸が痛くなる」



セナはここへ着てから戸惑った表情と泣き顔しか見せていない。



セナの笑顔が見たいのに。



「セナ、なぜ呼ばれたか分らないようだから、率直に言うよ セナが好きなんだ いや 好きと言う言葉では足りない。愛している 愛しているという言葉を軽々しく使いたくないがそういう感情が俺の中で芽生えたんだ」



最後の言葉を聞いた瀬奈が泣くのも忘れて驚いた表情でシンを見た。



「俺の事、あきれて信用できないと思っていることは分っているけど これは偽りじゃない」



シンの目は熱く瀬奈に語りかけていた。

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