君がいれば・・・①
「愛している セナ」



シンが頭を傾けて瀬奈の唇に唇を重ねた。



「んっ……」



口づけをされながらも瀬奈は悲しかった。



今だけの夢はもうすぐ終わってしまう……。



瀬奈の閉じた目から涙が頬に伝わりシンの頬を濡らした。



「セナ?」



なぜ泣くんだ?



「ごめん……もうだめ……」



瀬奈がシンを押しのけて立ち上がる。



「セナ! だめだなんて言わないでくれ」



シンも立ち上がって今にも帰ってしまいそうな瀬奈の体をもう一度抱きしめる。



「今はパニックに陥っている。食事をしながら良く考えて欲しい」



シンは再びソファーに瀬奈を座らせてウサギのぬいぐるみを膝の上に置いた。



それから窓際の机に行きホテルの電話の受話器を取った。



オーダーを済ませると瀬奈の隣に腰を下ろして足を組んだ。




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