君がいれば・・・①
目と目を合わせればキスをしたくなってしまう。



瀬奈はそんな唇をしていた。



瀬奈の全てがシンの好みだ。



一つだけ欲を言うならば笑って欲しい。



「シン……置いていかなかったんだね?」



置いていかなかったもの……ウサギのぬいぐるみ。



「あの時は自分の気持ちがまだ分らなかったんだ 正直に話していればセナが泣くことはなかった」



「韓国の俳優さんはまったく知らないから、話してくれてもぴんとこなかったかも」



お昼休みに亜佐美が話していたのはシンの事だったんだ。



「あっ……昨日……」



「そう、昨日セナに会いたくて行ったんだ セナがいなくて落ち込んだよ」



隣にいるとセナに触れたくなる。


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