赤とオレンジの空


『いつになったら元に戻る
かな?って見てたんですよ。
いじめが過激な訳では
ないから自然に元に戻る
だろうと信じて見ていた
んですけどね………。
辛かったでしょう?
ごめんなさいね。』


………先生が見ていた?
なんで?
全然気づいてないと
思ってたのに…。


わかんないけど
自然に涙が出てくる。
理解してくれる人がいたなんて

『…先生。
わ、わかってたんですか?
私、辛かったです。
毎日一人でいて、でも
みんなに心配かけたくなくて
一人で抱え込んでいました。
先生が初めてです。
こんなに優しく、
心配してくれた人は…。』



先生、ありがとう。
ほんとに感謝してる。
この時初めて人の
温かさを知ったよ。


『ほんとごめんなさい。
もっと早くに言えば……。』


『いいんですよ。
なんか先生が理解してくれてる
ってわかっただけでなんか
気が楽になりました。』


『ありがとう。
明日みんなにちょっと
話してみるけどいいかな?』


『いいんですか?
お願いします。』


『それじゃあ今日は
遅いからもう寝なさい。
今日はいろんな事聞いて
ごめんなさいね。
それじゃあまた明日ね。』


『電話ありがとう
ございました。
それでわまた明日。』


-----ガチャン-----


周り見たらお母さん消えてて
時計を見たら11時回ってた。
2時間くらい話してたんだ…。
ってかもう寝なきゃ。


引っ越しまであと5日か…。
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