★短編★君に会えたら
「お待たせ致しました」

沈黙が流れている私達の席に、妙にテンションの高い店員がセットを運んできた
「ごゆっくり
どうぞ」

静かな店内に店員の声が響いて。

なんで、こんな状況になっているの…

そもそも、私が困った顔をしていたのに気付いていたなら
目の前の席に座る事なかったんじゃ…

吉野はポテトを口にはこびながら外を見ていて。

「そんなに見つめないでよ」

吉野は視線だけ私に向けると
そお言った。

私は無言でスルーすると、ハンバーガーにかぶりついた。

「松井」

吉野が急に私の目を見つめて。

「な、なに?」

急に真面目な表情になるから
私は少しあたふたした。
< 10 / 32 >

この作品をシェア

pagetop