★短編★君に会えたら

「考えすぎるから
辛いんだよ」

「もっと楽に生きればいいじゃん。」

私は顔をあげると
吉野をみた。

「楽にできないから悩んでるのに？」

吉野は人差し指で
私の眉間を押した。

「笑ってればいいんだよ。仕事も謝りたくなければ、謝る事ない。明日の目標も何もいらないし、
松井は、松井が生きている事だけで意味があるんだ」

凄い目茶苦茶な…

「松井は素晴らしい松井、最高！」

吉野は万歳をしながらいきなり叫びだして。

「ちょ、ちょっと、やめてよ。」

私は吉野の腕を押さえて。

人は通らないけど

どこで、誰がみてるか分からないし。

「松井、今しかない時間
好きに振る舞えばいいんだ
松井の時間なんだから」

本当、落ち着きないし

目茶苦茶で意味不明な事言うし。

２６歳で無職っぽいし。


私はなんか可笑しくなって、
笑ってしまった。

「おっ、いいね。
いい笑顔、松井最高。万歳」

吉野はニカッと笑うと、私の頭を撫でた
「んじゃ、俺は行きます。」

吉野は歩道橋の階段を上って。

「またな」

吉野はそおいって反対側へ消えて行った