★短編★君に会えたら
吉野は近所に住んでるって言ってたけど
ちゃんとした連絡先は知らない。

携帯とか聞いとくべきだったのかな。

私は家に帰ると高校の卒業アルバムを開いた。


地元の友達なら
誰か吉野の連絡先
知ってるかも。


私は結婚して地元に残っている
友達の二宮花に連絡してみることにした。


久しぶりに連絡したから、驚いていたけど

私が吉野に会った話しをしたら
さらに驚いて黙ってしまった。


「花?どうしたの?」

「それ、人違いじゃなくて?」

あれは間違いなく
吉野だった。

「いや、間違いないよ。まんま吉野だった。落ち着きないし、しかもね、職業がね」

「吉野、亡くなったよ」

私が話し終わる前に花はそお言った。

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