★短編★君に会えたら
「おぉっ、やっぱり松井だ。」

満面の笑みで近付いてくるのは、
高校時代3年間、ずっと同じクラスだったにも関わらず、さほど会話を交わした事のない、
吉野 英
(よしのひで)
だった。

「下から見かけた時もしかしたら~って思ってさ」

吉野は、無言の私なんてお構いなしに
話しかけてきた。

「松井、このへんに住んでんの?
俺も最近引越してきたんだ。
つーか、東京はやっぱり交通量多いな
てゆーか物騒だしな昨日もニュースで」

笑顔で会話する吉野。

「ごめん、
私用事あるんだ。またね」

“また”なんてないけど、このままほっといたら、いつまで話しを続けられるか
吉野には悪いが、話しこむ気分でもないし、早急にこの場から去ろうと
マックに向かい歩きだした。


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