★短編★君に会えたら
私は無駄に話し掛けられるのを避ける為振り返る事なく、そのままマックに入っていった。

しかし、
私は振り返らなかった事をすぐに後悔する事になる。

店員の
こちらでお召しあがりですか?
との問いに、

「はい」

と答えた直後
横のカウンターに
吉野が立っていた。
私は番号札を受け取ると禁煙席の1番奥に座った。

まさか、着いてきたんじゃ…

いや、たまたま吉野もマックに来る途中だったのかもしれないし…

私はカウンターで注文している吉野の背中を見ていた。

そもそも、
3年間同じクラスであまり関わりが
なかったのは、
私は吉野が苦手だったからだ。

別に吉野は悪い人間ではないと思う。

むしろ、クラスではつねに友人に囲まれ
見てる限りでは
明るい人気者。
クラスのムードメーカー的存在だった。
でも、だからといって、誰からも好かれるとは限らない。

人には
”相性“ってものがあって、
私の中では、吉野は“合わない”側に
分類される人種なのだ
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