裏切りの少年
俺は戦いを終えると、ジョーカーの側に寄った。


「はぁ………はぁ………」


ジョーカーは今にも死にそうなだ。

俺は奴のポケットから通信機を取りだした。ジョーカーは抵抗しない。

通信機の電源を入れ、ジョーカーを殴った。


「グゥ………」


ジョーカーの悲鳴声を聞かせたあと、俺は通信機から『ホーク』に話しかけた。


「聞こえるか………相棒」


俺はジョーカーのお腹に刺さったナイフを取り、今度は胸に刺した。

急所を刺したことでジョーカーは死んだ。


『お前は………』


俺はナイフと抜き取った後、その場を離れながら話した。


「俺は………ウルフだ」


しばらく、沈黙が続いた。


「ホークだろ。
俺は今から123年前『辻本ユウジの暗殺』を担当した、かつての相棒だ」

『どういうことだ。なぜお前自ら連絡してきた』

「お前と話がしたかった。ただそれだけだ」

『話とは………』

「直接会って話がした」

『………断る』

「お前は任務を失敗したんだ。
これから単独で五十嵐を殺害しようとも増援部隊が相手ではさすがのお前も手が出せないだろう」

『それはやってみないと分からない』

「いいや。
俺が五十嵐の側にいる限り、お前は五十嵐を殺害することはできない。
俺はお前のことをよく知っているからな」

『………』

「それに『G』内で俺を探し出す指令が出ているはずだ。
俺の予想では『W』内にいる『G』の裏切り者の次のランクだろう」

『それを知ってて直接会えと………』

「ああ」


俺はホークの返事を待った。


『わかった。場所は……』


俺はホークに集合場所を伝えて、連絡を切った。
< 100 / 243 >

この作品をシェア

pagetop