裏切りの少年
当時は14歳だった。
俺は洞窟で水槽に浮かんだ死体を管理する仕事をしていた。
死体………実際には生きている。
ただ、それは長い眠りについているだけだ。
夢の中では分からないだろう。
本当の世界など、夢も希望もない。
誰の死体なのかは知らない。
俺は問題がないかを見るだけだ。
狭い洞窟内で与えられた仕事をこなした。
その仕事を一生しなければならない。
俺は残りの人生をこの死体を見続けて終わるわけだ。
そんな中で、反乱が起きた。
そして、俺は父親と共にこの世界に来た。
俺達はこの世界内部で管理するようにした。
システム管理の仕事からではなく、システム内部からの管理だ。
そのために『G』を設立した。
仲間と共に、世界を制御した。
俺に出来ることは言われた事をするだけだ。
人を殺す………
それは違う。
彼らはAIなのだ。
そして、俺は人間だ。




俺は目を開けた。


「もう終わりにしよう」


俺はホークに言った。


「お前は死にたいか。
死にたくないか。どっちだ」


俺はホーク自身で決断させようとした。

ここから先はホークが決めることだ。


「俺は………」


ホークが答えを決めたようだ。


「このチャンスを逃せば、お前は一生、檻の中だ」


俺はホークを睨んだ。


「………俺は………
お前に協力する」


俺は笑みを浮かべた。

そして、握手を求めた。

だが、すぐに握手に応じない。


「………どうした」

「ただし、俺はこの世界で死ぬ」

「お前が望むなら、そうしろ」


ホークは握手をした。

俺達が握手をした瞬間、朝日が昇り始めた。
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