裏切りの少年
「明後日だ」


山口は叫んだ。


「だが、俺達の事を話されるのは厄介だ」

「話さない。だから………」

「いいだろう」


俺は山口に言った。


「お前が研究所に戻り、この話を漏らせば敵討ちは出来ない。
それは嫌だろ」


俺は山口に問い質した。


「お前はここに置いて行く。
ここから先はお前の自由だ」


そう言うと、俺は車に入った。


「本気か」


相棒が俺の話を聞いていたのだろう。


「ああ。車を出してくれ」


俺は相棒に指示を出した。

相棒はため息を着いた後、車を走らせた。




―――車の中
車は山口の居る場所から離れた。


「どういうことだ」


隣で運転している相棒が聞いてきた。


「ただの当て馬だ」


俺は先程相棒から渡された資料を読みながら答えた。


「………当て馬か。
あまり俺の仕事を邪魔するな」

「ああ」


俺は資料を読み終え、相棒を見た。

相棒は不機嫌な表情をしていた。


「そろそろ、本題に移ろう」


俺は相棒に言った。

相棒は適当な場所に車を停めた。


「この任務はなんだ」


俺は率直に言った。

俺も『G』隠密部隊に所属していたが、大規模の任務に携わったことが無い。

また、そんな任務が行われた記録もない。
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