裏切りの少年
特番内容は『デレーブ』の企業が多才能力者の研究に成功した報道だった。
また、その報道に乗じて、『ネクス』国内でも多才能力者の研究に成功したらしい。
両国合わせて8人で、今日にも世間で発表されるとのことだ。




俺はウィスキーを飲みながら、これまでの情報を整理した。




『W』の子供と多才能力者………
これらは『G』の失態だろう。
国を制御できても一般の企業を制御することはできない。
『G』はあらゆる情報から世界に対して、あるいは『能力開発』を行っている者達を抹殺してきた。
しかし、一般の企業情報を入手することは困難だ。
世界に存在する企業など山のようになる。
それら一つ一つを管理することは不可能だからだ。


『G』にとっては面倒事が2つも存在する。
そして、今現在は片方に専念している。
議長も考えたものだ。
世間に流れる問題よりも、『W』の問題を優先したのだからだ。
多才能力の研究などは後からでも処理できる。
しかし、『W』の問題は今処理しなければ取り返しのつかないことになる。


そんなことを考えているうちに、俺は寝てしまった。
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