裏切りの少年
「ちなみに、俺がバケモノと戦うとして、『G』からの物資はどれぐらいまで使用できるんだ」

「今回も特例だ。
お前が欲しい物はなんでも用意する」

「何でもか………
バケモノが戦っている動画の閲覧許可が欲しい」


俺は相棒に言った。

相棒は後部座席に置かれた鞄を取り、中からPCを出した。

相棒が操作をして、動画の映像を見せてくれた。




動画の内容は酷いものだった。
子供一人に大人数の隠密部隊が戦っている。
能力や銃を使い、戦うが子供には効果が無いように見える。
ある程度、動画が進んだところで、遠くからミサイルを撃つ音が聞こえた。
そのミサイルは子供に直撃した。
しばらく、煙で辺りが見えなくなった。
隠密部隊は攻撃を止め、子供の生存を確認した。
だが、煙が消えると同時に、隠密部隊が次々に殺されていく。
微かだが、子供の姿が映っている。
映像はそこで終わった。
この映像は相棒が記録したものだろう。




俺は動画を見終わった後、窓の外を見た。


「これがお前の標的だ」

「ふぅ―――………」


俺は深呼吸をした。

「お前が望むなら、次の動画も見せるが………」

「ホーク………
少し考えさせてくれ」

「考えるとは」

「バケモノを倒す方法だ。
今すぐ、バケモノと戦うことは無理だ」

「………準備か。
だが、時間が無い」

「分かっている。3日待て。
それまでに作戦を考える」


相棒は手に持っていたメモリーを俺に渡した。


「そこには広川が解析した動画の一部が入っている。
それと特例任務の報告書もだ」


俺は車から降り、ホテルに戻った。
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