裏切りの少年
俺は『B2M2』の確認をしたので、後は作戦時間まで待機だ。


「お前も分かっているだろうが、ここにいる隊員達は戦闘経験がほとんどない。
皆、俺と同じ管理部に所属している者達だ」

「ああ。
もともと期待などしていない。
だが、誘導には使える」

「それならいい」


それ以降、相棒は作戦体調として、『A1』『A2』に最終確認を行っていた。
俺は一人になり、トラックの横に座っていた。

時間になり、俺は起きあがった。

他の隊員達は配置場所についた。

俺は準備運動をしていると、相棒が近づいてきた。


「そろそろ、時間だ」

「ああ」

返事をした後、ポケットに閉まったナイフがあるかを確認した。


「お前に一つ、伝え忘れていたことがある」

「こんなときに、連絡ミスか」

「いいや。個人的なことだ。
広川が俺に教えてくれたんだが、H社から10分ほど歩いたところにある公園で『Infinite Information』を無料で配っている人がいるらしい」

「………意味が分からないな」

「毎月、第三水曜日の午前に現れる」

「つまり、明後日か」


相棒は頷いた。


「そういうことは、もっと早く言え」


俺は相棒に背を向けた。
作戦待機場所へ向かうためだ。


「俺達にとっては『死』など無意味な言葉だ。
だが、死ねない時もある。
それを忘れるな」


俺はため息をついた。


「ああ」


俺は返事をして、その場を離れた。
< 134 / 243 >

この作品をシェア

pagetop