裏切りの少年
―――現在
「『W』五代目総長か………」
アイドも俺の言葉に納得しているようだ。
「彼は何者なんだ」
「井上博士が作った『超越者』の失敗作だ」
「失敗作か………」
『W』五代目総長、つまりアカネの親父さんが現実世界に行ったことで、今さら隠す必要もない。
本人はこの世界とは関係のない存在となったのだから。
「だが、お前はアカネの親父さんに感謝するべきだ。
奴がいたから、多才能力者であるお前たちは殺されず、『G』に所属することができたのだから」
「よくわからないね。
俺達は自分達の力が必要だと、議長から聞いているけど」
「50年ほど前か………当時幼少期だった親父さんだけで、『G』議長隠密部隊を含め、戦闘隊員は全滅させられた。
このことで『G』を守る者も、現場を担当する者もいなくなった。
そこで使える人間として多才能力者、つまり『G』を守る最終防衛ラインとして、お前達を『G』と一員として受け入れられた」
「………詳しいね」
アイドは驚いていた。
「ああ。
親父さんの事と捕まえた多才能力者から話を聞けば、ある程度予測ができる」
「確かに君の考えは当たっているかもしれない。
俺達、多才能力者が議長に初めて言われた言葉が『『W』には手を出すな』だったからね。
俺にとっては不思議な指令だったよ。
俺達が本気を出せば、何だって壊すことができるのに………」
「いいや。
お前達では無理だ。
良くて相撃ちだろう」
アイドは俺の方を見た。
「どうして、わかるの」
「多才能力者と言っても、所詮は人よりも『能力』が多く使える程度だ。
能力値は一般レベルに等しい」
「………君なら勝てるの」
「ああ」
「ずいぶん、勝気だね。
それなら『W』五代目総長を殺せばよかったのに………」
アイドは笑った。
「もともと『C』を結成したとき、『W』五代目総長は殺す予定だった。
だが、問題が生じた」
「問題………」
「『W』五代目総長か………」
アイドも俺の言葉に納得しているようだ。
「彼は何者なんだ」
「井上博士が作った『超越者』の失敗作だ」
「失敗作か………」
『W』五代目総長、つまりアカネの親父さんが現実世界に行ったことで、今さら隠す必要もない。
本人はこの世界とは関係のない存在となったのだから。
「だが、お前はアカネの親父さんに感謝するべきだ。
奴がいたから、多才能力者であるお前たちは殺されず、『G』に所属することができたのだから」
「よくわからないね。
俺達は自分達の力が必要だと、議長から聞いているけど」
「50年ほど前か………当時幼少期だった親父さんだけで、『G』議長隠密部隊を含め、戦闘隊員は全滅させられた。
このことで『G』を守る者も、現場を担当する者もいなくなった。
そこで使える人間として多才能力者、つまり『G』を守る最終防衛ラインとして、お前達を『G』と一員として受け入れられた」
「………詳しいね」
アイドは驚いていた。
「ああ。
親父さんの事と捕まえた多才能力者から話を聞けば、ある程度予測ができる」
「確かに君の考えは当たっているかもしれない。
俺達、多才能力者が議長に初めて言われた言葉が『『W』には手を出すな』だったからね。
俺にとっては不思議な指令だったよ。
俺達が本気を出せば、何だって壊すことができるのに………」
「いいや。
お前達では無理だ。
良くて相撃ちだろう」
アイドは俺の方を見た。
「どうして、わかるの」
「多才能力者と言っても、所詮は人よりも『能力』が多く使える程度だ。
能力値は一般レベルに等しい」
「………君なら勝てるの」
「ああ」
「ずいぶん、勝気だね。
それなら『W』五代目総長を殺せばよかったのに………」
アイドは笑った。
「もともと『C』を結成したとき、『W』五代目総長は殺す予定だった。
だが、問題が生じた」
「問題………」