裏切りの少年
「後者だ。
『R』の目的は世界の『再生』。
俺の目的は『変革』。
変革する前に世界を壊されたら、意味がないからな。
賭けは、俺の勝ちだった。
約束通り、『W』は『C』の下に付いてもらうことになったが………
俺にとっては、そこが重要じゃない」

「………『W』五代目総長の暗殺か」

「ああ。
『くだらない計画』後、俺は負傷してな。
俺が起きると、隣のベッドに『W』五代目総長が寝ていたんだ。
俺は真っ先に殺そうと思ったが………
丁度、見舞いに来ていたミコトとナナミが病室に居てな。
そして、聞かされたよ。
『W』五代目総長がアカネの親父さんだと」


アイドは不思議そうな顔をした。


「おかしいね。
君は知ってたんでしょ。
『W』五代目総長のことを」

「ああ。知っていた。
問題は『C』のメンバーに『W』五代目総長がアカネの親父さんだと知られたことだ。
『W』は国際テロ組織だ。
俺が殺しても文句は言わない。
当然の結果で終わる。
だが、アカネの親父さんだと知られると、状況は一変する。
おかげで、『W』五代目総長の暗殺は不可能になった」

「そこまで『W』五代目総長を殺したい理由って何。
力は多い方がいいでしょ。
もし、俺が君だったら、彼を有効に使うけど………」

「『力』とは制御ができて、初めて意味があるんだ。
制御できなければ、意味がない。
ミコトは俺とのつながりが深い。
もちろん『C』のメンバー達ともだ。
だが、親父さんとの関係はまったくない。
それに、俺は親父さんをよく知らない」

「えっ………知らないって」

「俺は幼少期までしか、親父さんの事を知らない。
お前は知らないだろうが、『G』と戦った後、しばらく親父さんは姿を消したんだ」

「どこに消えたの………」
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