裏切りの少年
「問題ない。
しばらく、『子供退治』は中止だ。
あれから、子供は行方がわからなくなった。
あの子から受けた傷も大きいため、今は『組織の再建』と『世界の管理』に力を注ぐことになった」

「『W』はどうなる。
バケモノがいるのには変わりないんだろ」

「『『W』には手を出すな』。
議長の特例だ。
また、再び、あの子供と戦った場合、『G』は間違いなく崩壊する。
また世界の管理者を一般人にばれてしまう恐れがある。
そうなると、世界の管理は不可能になる。
そして、世界は滅びる」


俺はしばらく、考えてから答えた。


「わかった。
とりあえず『W』には俺も手を出さない」


「そうした方がいい。
無駄な刺激は世界を混乱させえる」


相棒はウーロン茶を飲み、再び店員にウーロン茶を注文した。


「それで、例の件はどうなった」俺は相棒に聞いた。

「例の件………」


相棒は少し考えてから、答えた。


「あの件は解決した」

「本当か」


俺の声は店内に響いた。
ウーロン茶を持ってきた店員が俺達に注意をした。


「お客様。
他のお客様の迷惑になる行為は極力さけてください」

「すまない」


俺は謝った。
店員が去ると、俺は再び相棒に聞いた。


「本当だろうな。
『Infinite Information』の解析が終わったというのは………」

「そうだ。
だが、先に言っておくことがある」

「何だ」

「解析をして、お前にとって良い知らせが一つ、悪い知らせが二つある。
どっちから聞く」


相棒は真剣な目で俺を見た。


「まずは良い知らせから聞こうか」

「わかった。
俺の能力は『間接系』の『PC言語解析』だ」

「本当か………」


俺はH社の広川社長から『PC言語解析』の話は聞いていた。


「それじゃあ、お前は………」


「大丈夫だ。
確かに『PC言語解析』はその能力を持つだけで『国際犯罪者』になる。
だが、俺は『G』側の人間だ。
問題はない。
俺はその能力と広川の解析データ―を使い、『Infinite Information』の解読に成功した。
それが良い知らせだ」
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