裏切りの少年
俺は笑みを浮かべた。
やはり、ホークを仲間にして正解だった。
こいつの持つ特異体質と頭の良さは俺が欲しかったものだ。
まさか、こんな早くに『PC言語解析』能力者になるなんてな………


「問題は悪い知らせだ。
動画の内容を見れば説明できるが………
見るか」

「ああ」


俺はすぐに返事を返した。
相棒は持ってきたPCと取り出し、動画を再生した。




―――『Infinite Information』解析データー
『これから話す内容はゲームをクリアした者にしか教えることができない。
また、この映像が流れた後、セーブデータを消去されてしまう。
そのことだけはわかってもらいたい』


『これから話す内容は全体の一部でしかない。
一分の一、十分の一、あるいは百分の一。
それはプレイヤー自身の判断で構わない。
このゲームはプレイヤーが住む世界を別の視点から描いたものだ。
そう、プレイヤーの住む世界は『Infinite Information』だ。
偽りの世界を生きる人々。
そんなことも知らない人々はこの世界を真実の世界だと信じてしまった。
私は仲間に気づかれないようにこのことをこのゲームをクリアした者に話す。
このゲームをクリアした者ならばわかるはずだ。
『情報』の価値がどれほど重要な事か。
人と人とが会話をするとき、真実と嘘の両方を聞き側が判断しなくてはならない。
プレイヤーもゲームを通して理解したと思う。
だから、プレイヤー自身で私の言うことが真実か偽りかを判断すればいい。
私はプレイヤーに伝えたいことは三つある。
このゲームをクリアしたいならばこの条件をクリアしなければならない。
メモの用意が出来たら『Enter』を押してくれ』


『まず、一つ目が世界のどこかにある『Xファイル』を探すことだ。
二つ目がそれのヒントだ。
この世界の『軍施設』の一か所に隠してある。
三つ目がこのファイルを開くための条件だ。
それはプレイヤーのIDとパスワードと『鍵』が必要だ。
この三つを見つけたとき、この世界の全てを話そう』
< 155 / 243 >

この作品をシェア

pagetop