裏切りの少年
42. 接触
「ハッ………」


俺は驚いた。
予想外の回答だからだ。


「意味がわからないな。
理由を言え」


俺は相棒に聞いた。


「これは俺の見解だが、『W』と『Infinite Information』は何かで繋がっていると考えられる」

「繋がっている………」

「お前と組み時、『W』に所属している者は一度、『Infinite Information』をプレイする規則があるって話してたろ」

「………ああ」


俺が西条を拉致して、『Infinite Information』の存在を知り、ゲームショップでソフトを買いに行った時だ。
店員が『Infinite Information』生産中止を聞かされて、俺はソフトを買ってから、自宅で調べた。
そして、『Infinite Information』が教育に導入する件や、その件に『W』が関与している疑いがあると記されていた。


実際、俺が『W』に所属する前に一度プレイするように言われた記憶がある。
もともと、その規則は知っていたため、何の疑いもなく、クリアーして『W』の『過激派』に所属することが出来たが………


「それに、動画で話している内容は明らかに管理側しか知らない情報だ。
俺は『G』以外にこの動画を作れる人物を知っている。
それは『W』初代総長………
つまり、『G』の裏切り者だ」


俺はしばらく考えた。


「そう、考えると『軍施設』と『W』は繋がるわけだ」


相棒は言った。


俺はウーロン茶を飲みながら、考えをまとめた。


「確かにな………」


グラスをテーブルに置きながら、相棒に言った。


「『G』の裏切り者で造られた『W』だ。動画の男も管理側の人間だろう」


俺は相棒の意見を受け入れた。


「だが、どうする。
そうなると、『Xファイル』は『W』にあるとして………
どうやって探す。
まさか、また『W』に所属しろと………
そういう意味か」


相棒は首を横に振った。


「いいや。
さっきも言ったが『W』への刺激は極力避けたい。
それは俺もお前も、もちろん『G』もそうだ」
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