裏切りの少年
アユミは『『Infinite Information』の最終ボスは世界のどこかにいて、それを『W』と共に見つけ、倒すこと』だと言っていた。
この意見はアユミ以外にも聞いた事があった。
なぜ、この考えに至るのか。
それは『W』の所属する前に『共通の意志』を築きあげるためだと考えたためだ。


しかし、これは間違いだ。
俺は『W』に所属していたが、そんなものは一切なかった。
『規則だから、やれ』
俺が就任する前に言われた言葉だ。
俺は何の疑いもなくプレイしたが、その後『共通の意志』など芽生えない。
むしろ、
『結局、最終ボスはどこにいるんだ』
『なんで、このゲームをプレイしなければいけないんだ』
その疑問が残った状態で終わっただけだった。
俺以外の受講者も同じように考えていただろう。




別の人は『『能力開発』を専門にしている研究者達を守るため』だと言っている。
確かに、この意見は説得力のある解答だ。


かつての相棒、イーグルの話では『Infinite Information』によると『才能の開花率が他のゲームよりも非常に高い』と話していた。
人が持つ才能を開花させるには相性のようゲームである。
この事を、違う視点から考えれば、『人』そのものを『能力開発』することになる。
実際、この考えで『能力開発』の対象である『Infinite Information』は製造中止になった。
また、ゲーム会社E社の社長、西条は『G』に拉致された。


だが、これも間違いだ。
『W』の『過激派』は組織にとって邪魔な存在を消そうとしていた。
つまり、『G』と同じ活動をしている。
『W』の『穏健派』については情報不足だ。
唯一知っていることは、井上博士を守っていたことだが、彼の研究は『クローン技術』だ。
研究者は助けても『能力開発』分野ではない。
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