裏切りの少年
これらの意見は『最終ボス』を見つけられなかった者達の意見だ。


だが、俺は『最終ボス』を見つけなくても、データ―の解析で『世界へのメッセージ』を見ることが出来た。
『G』の裏切り者である管理側の人間が、一般人に『世界の真実』を教えると話している。
そのためには『Xファイル』を探さなければならない。
『W』内に隠されているとされる『Xファイル』を………


つまり、『『W』の敵を倒す』、『共通の意志』、『能力開発』、『研究者達を守る』等のことは全く関係のないものだ。




俺はため息をついた。
考えるだけ無駄だと思えたからだ。
今まで、情報提供者から『W』と『Infinite Information』の関係を聞いてきた。
もともと、それ自体が間違いだったのかもしれない。

『Infinite Information』とは………

そういう話を聞くべきだったのかもしれない。
相棒がデータ―を解析したことで『W』と『Infinite Information』の繋がりを探ろうとしていた。
俺は『Infinite Information』を一度もクリアーしていない。
もしかしたら、ゲームをクリア―した者しか理解できない動画だったのかもしれない。
今後は『ゲーム攻略者』を探すべきだろう。




俺は取材活動の反省を考えていると、電車は目的地に着いた。
俺は電車を降り、アユミから聞き出した公園へ向かった。




―――公園
俺は辺りを見渡した。
子供や母親達が大勢いる。
子供達は学校が夏休みに入ったのだろう。
以前、ここに来た時よりも人が多い。
俺は時計を見た。
時間は1500時。


「いないか………」


俺は小声で言った。
情報提供者から聞き出した『Infinite Information』を配る男はどこにもいない。
仕方なく、俺は公園の隅に置かれたベンチに座った。
鞄からPCを出し、しばらくは本の執筆活動とメールの返信で時間を潰すことにした。
いつも、人と会う約束以外の時間は公園で過ごしている。
公園に子供達がいなくなるまで、俺は公園で一日を過ごさなければならない。
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