裏切りの少年
「『選択』………」

「僕としては、この世界を『選択』する人間がいてもいいと考えている」

「なぜ………ですか」

「その方が、面白いじゃないか」

「はっ………」


俺は神山博士の言葉に動揺を隠しきれなかった。
神山博士は、キッチンの方を見た。


「スズミさ~ん、何か手伝おうか」


調子よく神山博士はスズミに言った。


「大丈夫です」

「そう」


神山博士は俺の方に向き直した。


「柴田さん。
お腹もすいたでしょ。
一緒にご飯食べる」

「お言葉に甘えて………」


俺は神山博士に礼を言った。


「それで、神山博士は何を研究しているんですか」


俺は単刀直入に聞いた。


「んっ………、秘密ってことでいいかな」


冗談そうに言った。


「神山博士が『超越者』を本当に作れる人なのか………
私には実感がありません」

「そう。ん―――。
まぁ、そう言われるとそうだよね」


神山博士は腕を組みながら、考えていた。


「『多才能力者』………
『超越者』………
これらの共通点って何かな」

「共通点ですか]
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