裏切りの少年
俺は考えた。

『才能』
『能力者』
『研究者に作られた人間』
あらゆる言葉が頭に浮かんだ。


「私は『人間』だと思います」


俺は答えた。


「うん。
そういうこと。
人間のみが持つことが出来る能力。
そして、人間は能力を一つしか持つことができない。
それはなぜ。
なぜ、人間だけが能力を使えるのか。
別に他でも可能じゃないだろうか。
例えば、『物』とか」

「『物』………」

「『物』で粒子を能力値に変換させ、能力が使えれば、誰だって『多才能力者』になれるし、『超越者』にもなれる」

「そんなことが可能なんですか」

「可能さ。
それが僕の研究。
『ドライブシステム』だ」
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