裏切りの少年
―――食後
俺はお腹いっぱいになった。
スズミは片付けをいていた。


「ところで柴田さんの能力って何。
『肉体強化系』、それとも『空間系』」


お茶の飲みながら、神山博士が聞いてきた。


「『肉体強化系』の『握力』です」

「『握力』か。
何でも握りつぶせるってことでいい」

「はい」


神山博士は立ち上がり、何かを探している。
しばらくして、神山博士は石を拾い、俺に渡した。


「砕いてみて」


俺は神山博士の指示通りに石を砕いた。


「ふ~ん………さて、研究室に向かおう」


そう言うと、神山博士は家に入って行った。
俺は神山博士の後に付いて行った。




―――研究室
神山博士は研究室の扉を開けた。
そこには壁一面に黒板が設置されている。
本や資料などは一冊もない。
部屋の真ん中に装置が一台置かれて、PCが4台置かれている。
リビングと同じようなソファーと机も置かれていた。


「こっち」


神山博士は俺を部屋の中央に置かれた装置に誘導した。


「さぁ、石を握って、手をこの中に入れて」


俺は言われた通りに右手を中に入れた。


「さっきみたいに砕いて」


俺は神山博士の言う通り、『握力』能力で石を砕いた。


「これでいいですか」


俺は神山博士に聞いた。


「うん。それじゃあ、手を出した」


俺は手を出した。
すると、神山博士は装置を起動させた。
その後、装置を操作している。
凄まじい音が部屋に響いた。


「さぁ、もう一度やって」


俺は装置を見た。
何か危険な雰囲気が装置から伝わってくる。


「大丈夫。危険はないさ」

「いや………そうじゃなくて」

「大丈夫だって」


そう言うと、神山博士は無理やり俺の右手を掴み、装置の中に入れた。
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