裏切りの少年
「議長の命令で、神山ミコトを暗殺するように指示された。
俺としては簡単なことだったけど………
面倒な事が起きてね。
俺達が神山家自宅に潜入すると、自宅が爆発した。
多才能力者じゃなかったら死んでたよ。
警戒のため、『障壁』を作ってたから助かったけどね。
その後は、手分けをして、神山ミコトを探した。
そして、俺は車で移動しているところを見つけた。
俺は車を攻撃した。
車は大破して、神山ミコトは死んだ。
死んだはずだった………」

「生きていたんだろ」

「そうだよ。
俺は任務が成功したと判断してその場を離れたけどね。
神山博士を殺されて、怒ってるの」

「少しな。だが、今は関係ない。
問題は家を爆発させたものが『何か』だ」


しばらく、アイドは考えた。


「まさか」

「そうだ。
『ドライブシステム』のオリジナルだ。
神山博士はお前達に会う前にも一度家を爆発させている。
その時は出力実験の失敗だと話していたが………
今回は逃げるためだったんだろう」




俺が死んでから記憶を取り戻せるまでに『キャンセラー』は商品化された。
『能力開発』を懸念に思う『G』は開発者を調べ、神山博士と出会った。
だが、ミコトを暗殺の対象にしたことから、神山博士の技術力を『G』で使い、『W』五代目総長の対応策を取ろうと考えた。
しかし、神山博士はミコトを『超越者』、もしくは第六系統『時空』の可能性を『G』に話したことで暗殺の対象となった。

当然、生み出した神山博士も暗殺の対象とされた。
そして、『神山ミコトの暗殺』命令を隠密部隊のアイド達に指示した。

結果、暗殺は成功したが、その時にミコトの能力も目覚めさせてしまった。
『死』を与えても『生』という『選択』をしたために………
アイドに殺された時も………
車大破で受けた傷で死んだ時も………
『選択の石』がミコトの『夢』を叶えた。
このことで、ミコトは生きることとなった。
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