独占★Honey


「聞いて、ね。」

美亜はうつむいて小さく深呼吸をした。



顔をあげた美亜は真っ赤になっていて

でも、意を決したような
とても強い目をしている。




「わたし、辰くんが隣にいるのがあたりまえになってたみたいなの。
それがあたりまえで、あたりまえすぎて
その幸せやありがたさに気づいてなかった。

辰くんは、いつだってわたしをいろんなところにつれてってくれた。
暗くて、怖いところから、わたしを救ってくれて
明るくて、楽しい素敵なところへ導いてくれた。
ありがとう・・・。」



そこで一旦呼吸をする。



「わたし、辰くんが離れていってやっと気づいたの。
辰くんは、わたしにとって本当に、本当に大切な人だって。
遠くへ行っちゃうほど、実感したの
わたし、辰くんがいなくちゃなにもできない。
息の仕方も忘れちゃうくらいに、頼りっぱなしだったって。

だからね、これからはちゃんと一人で頑張りたい!!

でもね・・・・」





美亜は、じっと俺を見つめる。


見つめられると、体中の温度が上昇する。





< 105 / 117 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop