独占★Honey
「聞いて、ね。」
美亜はうつむいて小さく深呼吸をした。
顔をあげた美亜は真っ赤になっていて
でも、意を決したような
とても強い目をしている。
「わたし、辰くんが隣にいるのがあたりまえになってたみたいなの。
それがあたりまえで、あたりまえすぎて
その幸せやありがたさに気づいてなかった。
辰くんは、いつだってわたしをいろんなところにつれてってくれた。
暗くて、怖いところから、わたしを救ってくれて
明るくて、楽しい素敵なところへ導いてくれた。
ありがとう・・・。」
そこで一旦呼吸をする。
「わたし、辰くんが離れていってやっと気づいたの。
辰くんは、わたしにとって本当に、本当に大切な人だって。
遠くへ行っちゃうほど、実感したの
わたし、辰くんがいなくちゃなにもできない。
息の仕方も忘れちゃうくらいに、頼りっぱなしだったって。
だからね、これからはちゃんと一人で頑張りたい!!
でもね・・・・」
美亜は、じっと俺を見つめる。
見つめられると、体中の温度が上昇する。