独占★Honey
「あ、え~っと・・・・
兄、です。」
わたしがそう言った途端、教室がもっとざわついた。
男子たちまでわたしをじろじろと見てくる。
嫌だな・・・・
わたしは、司くんみたいに有名人タイプじゃないもん。
どっちかというと、地味でインキャだから。
こういう雰囲気の中心は、居心地が悪くてしょうがない;
「ねぇ、みんな!!」
いきなり、辰くんの呼びかけが聞こえた。
女の子たちから静かになっていく。
「美亜の自己紹介中だから、静かにして?」
・・・・辰くん。
辰くんは、わたしの方を見てにっこり笑ってから
が・ん・ば・れ
と口ぱくで告げた。
やっぱり、優しい。
でも、ドキドキしちゃだめ!!
みんなに優しいんだから!
わたしは、辰くんのおかげで無事自己紹介を終えた。